『折口信夫と近世文学』  
     高橋 俊夫 著

               2008年4月30日・清文堂出版発行
               B6判・180頁・定価2400円+税

目  次

はしがき

序章 ………………………………………………………………………   1
  一 「大阪詠物集」のことども  3
  二 折口歌・荷風注  7
  三 凡兆句の折口解について  12

第一章 西鶴をめぐって ………………………………………………  17
  T 『好色一代男』攷  19
  U 西鶴の俳諧と文体  29

第二章 洒落本のこと …………………………………………………  47
  一  49
  二  52
  三  54
  大尾  61

第三章	俳諧談義ところどころ 一 
   ――虫さまざまと「えびす講」―― …………………………  67
  一  69
  二  70
  三  71
  四  73
  五  76
  六  80
  七  87

第四章	俳諧談義ところどころ 二
   ――軽みと木枯らし―― ……………………………………  93
  一  95
  二  102
  三  108
  四  111
  五  114
  番外篇(1)  120
  番外篇(2)  127
  六  136

第五章 俳諧談義ところどころ 三
   ――『●玖波集』と『犬つくば集』と―― ……………… 143
  一  145
  二  151
  三  158

終章 折口の佐渡詠と我が佐渡初遊日記 ………………………… 165
  初出  178

あとがき  179
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あとがき

 私は、今迄に、かなりの著作を世に問うて来た。何れも日本の近世・近代
の文士(文学者)が対象である。倖いにも、先輩や後輩の諸士の褒辞を受け
ること多く、引用や、「重要参考文献」として掲出されることも寡なくなか
った。だが、若年の砌から畏敬の人であった折口信夫に就いての著書はなか
った。正確に言えば全くなかったわけでは無い。一つは、大学用のテキスト
の分担執筆の一部であり、もう一つは事典の解説の担当分である。前者は、
山田有策編『近代日本の詩歌』(平成1・学術図書出版社)の「釈迢空」の
項の書きおろし(B6版12頁分)。後者は、馬渡憲三郎・石内 徹・有山犬
五共編『迢空・折口信夫事典」(平成12・勉誠出版)の六項目。     
 この度、平成2年1月から、平成17年12月に亘って「折口信夫研究会
報」という研究者及びファン向けの研究紙に連載した拙稿が一冊にまとまっ
て上梓されることになった。
 筆者にとって、洵に嬉しさの極みである。之は凡て、清文堂出版株式会社
の御厚意(社長前田博雄氏始め)と編集担当の松田良弘氏の熱意の賜物であ
る。更めて深く感謝申し上げる。
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高橋俊夫(たかはし・としお)       
昭和6年9月12日東京(現墨田区緑)に生まれる。旧制東京開成中学を経
て早稲田大学文学部国文学科卒業。在学中、稲垣達郎・岩本素白両教授に傾
倒、同人誌「鉄砧雲」に評論・翻訳などを発表。一方、アテネ・フランセに
通いフランス語を習得、バカローレア(baccalaureat)資格を得る。後、法
政大学大学院に学び、重友毅・長沢規矩也両博士らについて江戸文学・書誌
学を研究し同大学院博士課程を修了。その後、漢文学の耆宿竹谷長二郎氏に
師事し指導を受く。都立高校教諭を経て土浦短大・聖徳大・千葉大・清和大
などの講師・教授を歴任。日本近代文学会、日本近世文学会等の各会員。文
学博士。
主要著書
『西鶴論考』(笠間書院・昭46)『荷風文学の知的背景』(笠間書院・昭
50)『荷風文学閑話』(笠間書院・昭53)『葛飾の永井荷風』(崙書房
・昭55)『永井荷風と江戸文苑』(明治書院・昭58)『近代作家と「江
戸」』(桜楓社・昭62)『文学のトポス』(古川書房・平2)『西鶴とそ
の周辺』(共著・勉誠社・平4)『永井荷風「●東綺譚」作品論集成』(全
4巻・大空社・平7)『西鶴文学考』(大空社・平8)『樋口一葉「たけく
らべ」作品論集」(クレス出版・平11)などの他共著、編著及び注釈や翻
刻多数。

                                   
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