宮武外骨は、『売らん哉』我待賈号五頁(昭和3年2月8日)において、
   ●淫売狩と警吏
と題して、次のように書いている。
昭和平成の御代でも、違法賭博場のガサ入れを知らせる黒警官がいるとのこと。警官がP業界に天下りするなど、正に外骨の言うとおり「昔も今も」である。未来永劫に変わらないのであろうか。



   ●淫売狩と警吏

明治十七年七月発行の『月並おやかま集』第六会に、面白い都々逸が一つあつた

  応来家業も今では楽よ
       天気予報で風を知る
   評 くつくつ笑つてはいけませんよ

此「応来家業」とは不見転芸妓のことで、往来稼業たる行商人にかけたもの、天気予報で風を知るとは、平常茶屋から附届けをしてある警吏が、今夜は総動員で淫売狩りをやる事になつたから注意しろと、茶屋へ予報して呉れるからタスカルとの意義を寓した句である、
撰者の評に「くつくつ」とあるのは警吏の「靴」にかけた駄洒落と解すればよい
警察官吏と曖昧茶屋との内密関係は、四十五年前も今もカハリはないと見える
(『売らん哉』我待賈号五頁。昭和3年2月8日)



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菊池眞一